職務著作について

著作物の著作者になり得るのは、本来、実際に創作活動を行った個人(自然人)ですが、以下の要件をすべて
満たす場合
には、法人等の組織が著作者となります。
これを職務著作又は法人著作といいます。


《職務著作の要件》

 @ 法人等の発意に基づき創作された著作物であること
 A その法人等の業務に従事する者が創作した著作物であること
 B その法人等の職務上創作した著作物であること
 C その法人等の著作名義で公表された著作物であること
 D その法人等内部の契約や就業規則等に別段の規定がないこと 


(著作権法上の「法人」には、法人格を有するものの他に、法人格を有しない社団又 は財団で 代表者や管理人
の定めのあるものを含みます。(著作権法第2条6項))


以下に職務著作の要件の概要を記述します。

1.法人等の発意に基づき創作された著作物であること

  法人等によって、著作物を創作するという意思が直接または間接的に示される必要が あります。
  例えば、「著作物創作の業務命令」や「使用者による企画立案」がこれにあたります。

  なお、法人等と従事する者との間に雇用関係が有る場合には、著作物の創作について法人等から具体的
 な指示等がなくとも、従事する者が業務を行う上で、その著作物の創作が当然に予期されるものであれば、
この要件を満たすことになります。


2.その法人等の業務に従事する者が創作した著作物であること

  「法人等の業務に従事する者」とは、法人等と雇用契約を結んでいる者に限らず、法人等の指揮監督下で
  業務を行
う者も含みます。

  通常、法人等と雇用関係のない部外者に委託して創作した著作物については、法人等が著作者になること
  はありません。

  しかし、雇用契約でない請負契約や委任契約等の場合でも、法人等の指揮監督下で創作業務が行われる
場合
、その業務を行うもの者も「法人等の業務に従事する者」にあたる可能性があります。

   なお、派遣契約(法律に基づき適正に運営された派遣契約であること)における派遣労働者についは、「派
   遣先の業務に従事する者」にあたると解されます。


3.その法人等の職務上創作した著作物であること

  前記1.2.の要件に基づき、法人等の従業員が著作物を職務として創作するものであることが条件です。

  但し、従業員が、単に職務との関連で独自に創作した著作物については、法人等が著作者とはなりません。


4.その法人等の著作名義で公表された著作物であること

  法人等が創作された著作物を公表するにあたり、従業員の氏名を著作者として表示した場合、公表する
   著作物の著作者は従業員であり、法人等は著作者とはなりません。

  法人等が著作者となるためには、法人等の名称を著作者として表示する必要があります。

  例えば、「この作品の著作権は、○○株式会社に帰属します」などのような表示を行うことが必要です。


5.その法人等内部の契約や就業規則等に別段の規定がないこと

  法人等の内部における雇用契約や就業規則等に、例えば、「業務上創作した著作物の著作権は、著作物
    を創作した従業員に帰属
する」などの規定がないことが必要です。


創作された著作物が、前記1.〜5.の5つの要件をすべて満たしていれば職務著作となり、法人等の組織が
著作権を持つことになります。


   なお、著作物がプログラムの著作物」に関しては、前記4.の要件を満たさなくとも他の4つの要件を満たして
   いれば
職務著作となります。(著作権法第15条2項)   

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